V6さんを好きになった日の話
タイトルの通り、V6さんを好きになった日の話をします。
ちょっと長くなっちゃったのですが、どうぞお付き合いください……。
2020年9月12日(土)。7連勤明けにやっとのことで辿り着いた休日。
一人暮らしを始めたばかりの家に椅子が届く日だった。自分の家の勝手がわかるようにはなってきていたものの、まだまだ「他人の家」だ。よく知らない土地から聞こえる知らない物音に緊張してしまう。心が耐えられなくて、知っている音がほしくて、その日は一日中テレビをつけていた。
届いたばかりの椅子を組み立てながらふとテレビを見やると、音楽番組が流れていた。「THE MUSIC DAY 人はなぜ歌うのか?」。知ってる曲ばかりでなんとなく安心したのを覚えている。だらだら家事をして過ごしていると「続いてはジャニーズシャッフルメドレー!」というナレーションが流れた。
私はジャニーズについてあまりよく知らないし、ましてや特定の好きなタレントがいない。
思春期の頃はむしろ、ジャニーズが好きな女子たちを鼻で笑うタイプの、隠キャサブカル勘違い野郎だった。いるよねこういうやつ。けれどこういう番組で流れるジャニーズの曲は大体知っていた。顔と名前が一致しない人が多いけれど、なんとなくはわかるし、音楽は嫌いじゃない。そんな程度の知識。CM明け、ジャニーズシャッフルメドレーが始まったのをぼんやり見ていた、そのときだった
ひらパ〜〜生まれの〜〜〜〜〜
マリウス〜〜〜〜〜育ちや〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
岡田准一さんだった。
なんかよくわからないけれど、突然耳にクリアに飛び込んできた。ひらパー生まれのマリウス育ち。ひらパーってなんだっけ、遊園地、ポスターみたことある。マリウスってなんだっけ、人名じゃなかったか?混乱しながら、記憶が物凄いスピードで巻き戻っていく。2005年。あれはまだ私が小学生のころ。同じクラスの友人たちは好きなモデルやイケメン俳優のことで盛り上がっていた。
「えびちゃん*1かわいいよね〜!」
「私はもえちゃん*2のがすき〜!」
「松潤マジかっこいい〜〜!」
お昼休みにみんなでCanCanを読んだりしたのを覚えている。みんな大人になりたがっていた。私も同じだ。しかし、私が好きだったのは可愛いモデルやジャニーズのアイドルではなく大人計画だった。*3
私は比較的社交的な隠キャ(おそらく)だったため、悲しいかな友人たちのほとんどがいわゆる陽キャ。モデルもアイドルも興味がないのに、「ねえねえ、〇〇ちゃん(わたし)は誰がすき〜〜?」などと聞かれる。この空気で「わたしは荒川良々かな〜!」なんて言えるわけがなかった。隠キャだし。
そこで私が出した答えは「おかだじゅんいち」だった。2005年。宮藤官九郎監督作品「タイガー&ドラゴン」が放送されていた年だ。もちろん木更津キャッツアイにもすっかりハマっていたため、岡田准一さんのことは本当に好きだった。むろん俳優としてである。
「私はV6の岡田くんが気になる、かなあ〜〜……」
苦し紛れに出した答えは、友人たちにとって大正解の回答だったらしく大喜びされた。
わかるわかる、超かっこいいよね、矢つぎ早に同意の言葉が繰り出される。
次の日には私の手元に真っ赤なボーダフォンの宣伝ポスター(新聞のチラシに挟まってたやつ)が集まってきた。「ポスターを家に飾るほど好きなわけじゃなくても、関係ないぜ*4!!」ってポスターの中の岡田さんに言われた気がしていた。
それからしばらく、必要な場面では「好きなアイドル:岡田准一」って書くことにしていた私だが、V6の岡田さんのことを全く知らなかった。(よく好きだとか書けたな)というかV6のことを全然知らなかった。もちろん学校へいこう!は何度か見たことがあったし「みのりかリズム4」もやったことがある。(やらされていたといってもいい)しかしわけがわからないのだが、学校へいこう!がV6の番組であるということをあまり認識してなかった。
さて、2020年に戻る。
岡田さんのことをあまり知らないままの私が素直に思ったのは
「岡田准一さんってこんな人だっけ……?」
だった。元々よく知らないのだから当たり前な気もするけれど。その後のジャニーズシャッフルメドレー、印象に残ったのは岡田さんを皮切りにV6のメンバーのことばかりだった。
「こんな人だったか岡田さん」
「信じられないくらいかっこいい誰この人(三宅健さんでした)」
「”いのっち”だ!物真似してる!面白い!」
「森田さんってKAT-TUNだっけ(上田さんとごっちゃになっている)("シャッフル"メドレーだって言ってんだろ」
「坂本さん歌上手いなぁ」
※のちに私は長野博さんに対して「生涯この人に愛を伝えていきたい」という重めの感情を抱えることとなるのだが、当時の私は長野さんを全く認識していなかった。よってpart2で歌唱されている長野さんの記憶がゴッソリ抜け落ちている。死すべし。
小学生の頃岡田准一が好きだったってことをミュージックデイを見て思い出したんですけど、あの、なんだかソワソワしている V6の出番以外の時間YouTubeで片っ端からV6の映像を見ている 落ち着こう
2020年09月12日 22:36:19のtweet(鍵垢)
シャッフルメドレーが終わり、V6のみのパフォーマンス披露までの時間ずっとyoutubeを見ていた。一番最初に見たのがこれ。
取り残される三宅さんを見て笑う森田さん岡田さんと、あっちむいてホイで大爆笑するトニセン3人を見て一緒に笑った。ちなみにこの動画で、20th centuryとcoming century の存在をしりました。
気になったらすぐ公式の動画が見られる。当たり前のことでは決してない。調べたら、ライブ映像までまるまる一本公開されているじゃないか……なんというホスピタリティー精神だろう。「今すぐにでも彼らを好きになっていいんですよ」と言われている気がした。
そうこうしている間にV6の出番となった。慌ててスマートフォンを放り投げる。組み立てたばかりの椅子をできるだけテレビに近づけて、食い入るように画面を見た。
supernova
Darling
PINEAPPLE
披露されたのはこの3曲。夢をみているような心持ちだった。
よくわからないけれど、この人たちをもっと見ていたいと思った。
曲が終わると同時にすぐさま捨てたスマホを拾った。
はやる気持ちを抑えながら指を動かしyoutubeの検索ボックスに、「 V6 」と入れる。
気づいた時には夜中の1時になっていた。
カミセン……カミセン……。いかん……ねなければ……続きは明日……。
2020年09月13日 01:04:11のtweet(鍵垢)
前こんなノリで田中圭にもハマりかけたんだけど一瞬でブーム去ったから今回もまだ、まだわかりませんなにも…なにも……
2020年09月13日 08:06:00 のtweet(鍵垢)
ツイートしつつ友人にも報告している。人に言いたくなってる時点でもうそれは”好き”なのだ。まだわからんとか言ってんじゃねえぞ……
その後は毎日YouTubeを見た。見れる映像は全部見た。
「もっと知りたい」という感情に押されて、TSUTAYAでアルバム、シングル(トニカミ、Jフレなどを含む)を50枚ほど借りた。約1ヶ月後にジャニーズwebへ登録。その1週間後にファンクラブに入会した。ライブDVDも一気に購入した。project V6*5をプレイし3日でエンディングを見た(なんで?)。
なにが私をここまで突き動かしたのか、この頃はあまりよくわかっていなかった。というのも、好きになった瞬間のことをはっきり覚えていなかったからである。正直どんなパフォーマンスだったかも覚えていない。わかるのは、夢の中にいるような気持ちだったことだけ。
こんなことになる予定(人生)では全くなかったので、録画などしているはずもなかった。
願わくば、もう一度あの日のTHE MUSIC DAYが見たい。そんなことを思っていたら先日、心優しい友人が映像を送ってくれた。驚く(引く)ほど泣いた。
6人全員の名前と顔も一致していなかったあの日とはもう違う。しらないひとたちだったのが、しってるひとたちに変わったから、6人全員を認識できるから、識別できるから、魅力がはっきりわかるから。
ターンをきめた時に揺れるジャケット、
ふわふわと隣のセットへ移る彼らの表情の柔らかさ、
カメラに翳す手の隙間から覗く強い眼差し。
そうか、こんなに素敵なんだもん、そりゃ好きになるわけだなぁって。
本当に、この日の6人、びっくりするくらいかっこよくて、素敵だった。
あはは、こりゃ好きになるよ、よかったね、好きになれて。そんな気持ちです。
やっぱり一目惚れだったんです。この時の6人に会えて良かった。
2020年9月12日人生が変わった。夢みるように恋におちた。間違いなく。
この6人を好きになってからというもの、あれよあれよというまに色んなことがあった。
大学時代の親友が「project V6」を貸してくれたり
愛に溢れたお手紙付き。彼女がV6に関する知識が豊富であるということを4年間一緒にいたのに知らなかった。
「親の影響で8歳の頃にV6のライブに何度か行ったことがある」と教えてくれた友人の家族がCDをくれたり
こちらも大学時代の友人。彼女がV6に関する知識が豊富であるということを4(略)。
親友の高校時代の友達の友達(友達の友達の友達)が、9月12日のThe music dayの録画映像を送ってくれたり
友達の友達の仲介を経て(仲介の仲介)、3月12日の夜にzoomで知り合った。Thank youはこちらのセリフである……。
わたしの知らないところで、V6は色んな人の人生の中に存在していたんだってことを知った。
世界の解像度がグッとあがった。色んな人に助けられているし、色んな人との出会いがあった。
「V6を好きになったんです」と告げた相手が、わたしに対してたくさん愛をくれるのは、V6が心から愛されてるからなんだろうな。
夢はまださめません。たぶん一生さめません。
さめない夢の中で、これから先も愛を伝えていきたいな。